越境ECの始め方と発送代行の選び方ガイド|
物流で海外進出を加速させる秘訣
「国内のネットショップ運営は順調だけど、そろそろ海外にも挑戦してみたい」
「日本製品は海外で人気だと聞くけれど、何から手を付ければいいのかわからない」
そんな悩みを持つEC事業者の方は多いのではないでしょうか。特に、海を越える「海外発送」や「現地のルール」と聞くと、少し足がすくんでしまいますよね。
この記事では、越境ECの基礎知識から、成功させるための具体的なステップ、そして多くの事業者がつまずきやすい「物流」の解決策について、わかりやすく丁寧に解説します。
越境EC発送代行とは?
越境ECの定義と市場規模が拡大している理由
越境ECとは、「国境を越えて(越境)、インターネット上で(EC)、商品を売り買いすること」です。
なぜ今、これほどまでに注目されているのでしょうか? それは、世界のどこにいてもスマホ一つで買い物ができるようになったからです。特に、中国やアメリカといった人口の多い国々では、オンラインで買い物をするのが当たり前になっています。
また、日本の製品(メイド・イン・ジャパン)は、海外で非常に高い信頼を得ています。
「多少高くても、品質が良い日本の商品が欲しい」というニーズは世界中にあり、その市場規模は年々、右肩上がりで成長し続けています。
関連記事:越境ECにおける物流の重要性と課題|海外配送の方法や業者の選び方
なぜ今、中小企業が越境ECに参入すべきなのか?
「海外進出なんて、大手企業がやることでしょ?」
そう思われるかもしれませんが、実は今こそ中小企業にとってのチャンスです。
理由は大きく分けて2つあります。
- 1. 国内市場の縮小:日本は人口が減っており、国内だけで売り上げを伸ばし続けるのは難しくなっています。
- 2. 参入障壁の低下:以前は海外に店を出すには膨大な費用がかかりましたが、今はインターネットがあれば、地方の小さなお店でも世界中に商品を届けることが可能です。
越境ECを始める3つのメリット
メリット①:世界中の顧客をターゲットにできる(市場の拡大)
日本の人口は約1億2,000万人ですが、世界のインターネット利用者は50億人を超えています。ターゲットを世界に広げるだけで、あなたの商品を「欲しい!」と言ってくれる人に出会える確率は格段に上がります。
メリット②:実店舗を持つよりも低コストで海外進出が可能
海外に実際の店舗(路面店)を出すとなると、数千万円から数億円の費用がかかることも珍しくありません。しかし、越境ECであれば、Webサイトを構築する費用だけで済みます物理的な店舗を持たないため、リスクを最小限に抑えてスタートできるのです。
メリット③:テストマーケティングとして最適
「自社の商品が、どの国で、どんな人に受けるのか」を確かめる実験(テストマーケティング)としても越境ECは優秀です。反応が悪ければすぐに改善でき、反応が良ければその国での販売を強化する、といった柔軟な戦略が立てられます。
事前に知っておくべきデメリットと注意点
光があれば影もあります。越境ECには、特有の難しさがあることも理解しておきましょう。
デメリット①:配送コストとリードタイムの問題
国内発送であれば数百円で翌日に届くこともありますが、海外発送となるとそうはいきません。
- ・送料が高い: 距離があるため、配送コストはどうしても高くなります。
- ・リードタイム(注文から届くまでの時間):数日から数週間かかる場合があり、お客様にその点を理解していただく必要があります。
デメリット②:言語対応・カスタマーサポートの壁
サイトの表記だけでなく、お問い合わせ対応も現地の言葉(英語や中国語など)で行う必要があります。翻訳ツールも進化していますが、微妙なニュアンスの違いでトラブルになることもあるため、注意が必要です。
デメリット③:関税や各国の法律(輸入規制)への対応
「日本では売って良いものも、海外では禁止されている」というケースがあります。また、 商品を受け取る際にお客様が支払う関税の仕組みについても、事前にしっかり確認しておく必要があります。
越境ECの始め方・4ステップ【初心者向け】
ステップ1:ターゲットとする国とプラットフォームを決める
まずは「どこで、誰に売るか」を決めます。
- ・モール型:AmazonやTmall(天猫)など、すでにお客さんが集まっている場所に出店する。
- ・自社サイト型: Shopifyなどを使って、自分たちの店を作る。
- ・クレジットカード決済
- ・PayPal(ペイパル)
- ・現地で主流の決済(中国ならAlipayやWeChat Payなど)
ステップ2:決済手段を整える
海外のお客様は、日本の銀行振込は使えません。
ステップ3:多言語対応の準備
商品名や説明文を翻訳します。単に直訳するのではなく、「その国の人がどんなキーワードで検索するか」を意識するのがポイントです。
ステップ4:物流・配送ルートを確定させる
注文が入ってから「どうやって送ろう?」と慌ててはいけません。EMS(国際郵便)やクーリエ(国際宅配便:DHLやFedExなど)の中から、コストとスピードのバランスが良いものを選びます。
W11(独身の日)の100倍の出荷波動をどう乗り越えるか?物流の重要性
越境ECを運営する上で、避けて通れないのが「セール期間中の爆発的な注文」です。特に中国市場をターゲットにする場合、「W11(ダブルイレブン:独身の日)」の影響力は計り知れません。
中国最大のセール「W11」の凄まじい実態
毎年11月11日に行われるこのセールは、わずか24時間で数兆円という、想像を絶する金額が動きます。この時、EC事業者の元には、普段の10倍、ときには「100倍」という出荷波動が押し寄せます。
中学生の皆さんに想像してもらうなら、「普段は1日10個届くプレゼントが、ある日突然1,000個届く」ような状態です。これを、いつものスタッフ、いつもの場所で処理しようとすれば、現場は間違いなくパニックになります。
実績に裏打ちされた物流体制:三協が提供する安定感
私たち三協は、実際にこの「100倍の出荷波動」を最前線で経験し、そして乗り越えてきました。
なぜ、パンクせずに発送し続けられるのか? それは、単に人を増やすだけでなく、「波動に耐えうるオペレーション」が確立されているからです。
- ・動線の最適化:大量の荷物が流れても渋滞しない倉庫内のルート設計。
- ・高度な管理システム: どの荷物がどこにあるかを1秒で把握できるITの力。
- ・熟練のスタッフ力:越境EC特有の複雑な梱包にも、スピード感を落とさず対応できる技術。
物流が止まるということは、お客様の手元に商品が届かないということです。それは、せっかく築き上げたブランドの信用を一瞬で失うことを意味します。越境ECにおいて、「どんなに注文が増えても、止まらずに送り出せる物流拠点」を持つことは、最強の武器になるのです。
海外発送の手間をゼロにする「発送代行」活用のススメ
「海外に送るのが大変そうだから、越境ECはやめておこう...」
そう思うのはもったいありません。なぜなら、面倒な作業はすべて「発送代行」に任せることができるからです。
自社発送と発送代行、どっちがお得?
自分で送る(自社発送)場合、段ボールを組み立て、商品を詰め、英語でインボイス(税関に提出する書類)を作成し、郵便局や配送業者へ持ち込む……という作業が必要です。1日1件なら可能かもしれませんが、10件、100件と増えれば、あなたの本業である「商品を売ること」に手が回らなくなってしまいます。
発送代行を活用すれば、あなたは「注文データを送るだけ」でOK。あとはプロがすべて代行します。
発送代行を利用するメリット
- ・専門知識が不要: 「この国にこれを送っていいの?」「関税はどうなる?」といった難しい判断を、プロがサポートしてくれます。
- ・物流コストの最適化: 私たちのような大きな物流倉庫は、配送業者と特別な契約(ボリュームディスカウント)を結んでいるため、個人や小さな会社が契約するよりも、1件あたりの送料を安く抑えられることが多いのです。
- ・品質の維持: 海外までの長距離輸送では、荷物が手荒に扱われることもあります。壊れないための「特別な梱包技術」も、代行会社を利用する大きなメリットです。
物流倉庫選びのポイントは「越境ECの実績」があるか
世の中にはたくさんの物流倉庫がありますが、どこでも良いわけではありません。
- ・「Shopify」などのカートシステムと連携できるか?
- ・「中国」など特定の国の事情に詳しいか?
- ・急な注文増(波動)に対応できる実績があるか?
まとめ:越境ECの成功は「信頼できるパートナー」選びから
越境ECは、中小企業が世界へ羽ばたくための「大きな扉」です。
「越境ECとは何か?」という基本から、メリット・デメリット、そして具体的な始め方まで見てきましたが、最後に覚えておいてほしいことが一つだけあります。
それは、「ECサイトを作るのは入り口であり、物流こそがお客様との唯一の接点である」ということです。
画面の向こうのお客様が笑顔になるのは、商品が無事に、きれいに手元に届いた瞬間です。その瞬間を支えるのが、私たち物流会社の役割です。
もし、「海外発送の手順がわからない」「今の物流体制で耐えられるか不安」という悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、プロの現場を見に来てください。