EC通販の同梱物が重要な理由は?
同梱物のメリットと物流代行(発送代行)における重要ポイント

EC通販の同梱物とは

同梱物は、EC通販で商品を購入した際、商品とともに梱包される印刷物や広告物、サンプルなどのことです。お礼の挨拶状、次回購入時に使用できる割引クーポン、新商品のおまけ等さまざまな種類があります。

代表的な同梱物の例は以下となります。

・挨拶・お礼(サンクスレター)
・ブランドブック
・商品の使用方法を紹介する小冊子
・商品カタログやパンフレット
・ユーザーの声や体験談のアンケート
・ユーザーの声や体験談の紹介コンテンツ
・オンラインコミュニケーションツール(LINE・chatworkなど)への誘導
・クーポンやお得な情報
・サンプル商品やプレゼント
・クロスセル・アップセルコンテンツ

これらの同梱物は商品に添付して送ることでEC運営企業のイメージ向上に寄与し、時には商品以上の価値をもたらしてくれます。

EC通販の同梱物が重要な理由

EC通販において同梱物が重要である理由は必ず消費者の視界に入るためです。ダイレクトメールを読まない人がほとんどですが、商品と合わせて送られる同梱物の場合、必ず手に取ります。非常に有効なアプローチ施策となります。そして、消費者の興味を引き起こす同梱物を入れることで、EC通販企業への信頼度を高めるだけでなく、継続購入に繋げられるので、自社ファンやリピーターの獲得を図ります。

ECサイトや通販ショップで買い物をしたとき、チラシやサンプル商品などが一緒に入っていたことはありませんか?これら同梱物の1番の目的は、売上増加、すなわちユーザーの再購入を促進することです。同梱物はEC運営で成功する上で非常に効果的な販売戦略といえるでしょう。

今回は、同梱物の重要性や気をつけたい点、また同梱物を含めた商品の物流代行を依頼する時のポイントをご紹介します。

【EC通販で同梱物の3大メリット】

通常のマーケティング方法であるメルマガやDMと比較すると待ち望んだ商品を開封するタイミングで目にすることができるため、顧客の反応はポジティブであるケースが多く、効果的な販売施策であると同時に、同梱で送るため広告コストもかなり抑えられます。

 

以下でそのメリットを詳しく見ていきましょう。

1.ユーザーの満足度をグッと引き上げる

EC通販で購入された商品を発送する際、中に入っているのが商品と納品書だけだった場合に素っ気ない印象を持たれてしまう可能性があります。しかし、お礼の挨拶状や使用方法などを記載した啓蒙ツールなどを同梱すれば、新規顧客に対しても距離を縮めることができます。

特に商品の使い方や効果を丁寧に解説するパンフレットなどがあればユーザーへの配慮が感じられ、商品だけでなくEC運営企業に対しても好印象を持ってもらえることでしょう。お客様の声や創業ストーリーなども購入者のファン化を促す有効なコミュニケーション施策といえます。

2.顧客生涯価値(=LTV)を倍増させる可能性も

サンプル商品や次回購入時のクーポン等を同梱すれば、商品購入にプラスアルファのお得感を感じてもらうことができます。競争の激しいEC市場であっても他社と差別化を図ることが可能であり、ユーザーに「次回もこのお店で買い物をしよう」といった気持ちを持ってもらうことでリピーターの獲得が期待できます。

企業にとってリピーターを獲得することは、顧客生涯価値(LTV=企業が顧客一人から得られる価値の総計)を高める上で非常に重要です。一般的なマーケティング法則によると「既存顧客のリピート購入を促すほうが広告費用をかけて新規顧客を獲得するよりも5倍程度コストを抑えることが可能である」といわれています。また、一度購入したユーザーに対し同梱物を通じてより高い製品へのグレードアップ(アップセル)や複数商品のまとめ買い(クロスセル)に繋げたり、定期購入の契約に繋げられればLTVの倍増が狙えます。

すなわち、同梱物を用いれば新規顧客の獲得よりも最小限のコストと労力でLTVを高め、効率的な売上向上に繋げることができるのです。

3.ユーザーの声が聞ける(VOCを集められる)

同梱物を通して得られるのは直接的な利益だけではありません。ユーザーの評価という今後の商品企画や販売戦略を左右する貴重な情報を得ることができます。

マーケティング業界では、ユーザーの生の声のことを “Voice of Customer”(=VOC)と呼んでいます。VOCを集めるためには、同梱物としてアンケートを入れたりホームページやショップに口コミを送信すると次回割引をするなどの特典を提供するのが効果的です。

同梱物によってユーザーの生の声を集めることができれば企業はそれらを元に品質改善やECサイト運営の見直しなどを行い、今後の売上向上のための販売戦略に活かせるでしょう。

【同梱物の選択で気をつけるべきこと】

このようにメリットの大きい同梱物ですが、気をつけたい点もあります。例えば「メッセージカードの内容を間違える」「女性購入者に男性用の広告を入れてしまう」「高齢者向けのサンプルを若い購入者に間違えて入れてしまう」などの様々なパターンが考えられますが、このようなことが続けばリピーターであっても心証が悪くなり、たった一度のミスが顧客離れに繋がる危険性があります。

 

以下では、同梱物を利用する際の気をつけたい3つのポイントを確認していきましょう。

1.顧客属性に応じて同梱物の内容を変更する

同梱物の中には、顧客全員に同じものを入れても問題ないもの・顧客属性によって内容を変化させるべきものとがあります。例えば、お礼の挨拶状であっても購入回数などでユーザーの心理フェーズに合わせて文言を変えることによって有効なアップセル施策となります。

その他にも、初回購入者に対しては「次回購入時に使える期間限定の割引クーポン」、リピーターやファンに対しては、「リピート購入によって得られるお得情報や定期便のすすめ」など、他の顧客とは差別化した内容のものが効果的です。

三協では、自社開発の倉庫管理システム(WMS)を導入しているため、商品だけでなく同梱物も企業様ごとに自由にカスタマイズすることが可能です。購入回数やエリアによって同梱物を変更したり、期間や地域限定のクーポンやサンプルなど、顧客の過去の購入データに基づいて最適なものを自動で選択することもできます。
したがって、作業者は顧客情報を一切気にすることなく倉庫管理システムで指定された同梱物の組み合わせを入れるだけで良いため、悩まず精度の高いCRM施策を実現できます。

2.費用対効果の高い同梱物を封入する

同梱物がマーケティング施策として効果的であるといっても、大量の同梱物を封入することは避けるべきです。同梱物が増えすぎると準備する際に掛かる物流コストが大きくなるにもかかわらず、読んでもらえない可能性が高くなります。

特に初回購入時などで、まだ企業への信頼度が高まりきっていない状態で大量の広告物を目にした場合、かえって不興を買う可能性もあり、確実に顧客満足度を高めていくためにも同梱ツールの目的を明確にし、ユーザーのタイミングに合わせた同梱物を選択しましょう。

3.個人情報の取扱い

同梱物の中でも納品書には特に注意が必要です。顧客の個人情報が記載された書類を別の顧客宛てに送れば、個人情報漏洩により大きなトラブルの原因になります。また、これにより失った信頼は基本的に取り戻すことは困難でしょう。

昨今は納品書の省略やメールでの送信といった事例もありますが、納品書の同梱には絶対にミスは許されません。

三協では納品書などの個人情報を含む同梱物の取扱いには特に慎重な運用を心掛けており、社内にて情報漏えい防止マニュアルを策定するとともにプライバシーマークも取得しております。

また、商品の出荷時において確認が必要な工程については100%システム化で対応しており、具体的には商品の出荷検品の際に納品書に記載されているバーコード・納品伝票のバーコード・注文商品のバーコードが全て一致しない限り検品完了画面が表示されません。すなわち物理的に作業が終えられない仕組みとなっている為、パートスタッフが無意識に晩御飯の献立を考えてしまったとしても納品書を入れ間違ってしまうミスが発生しないシステムを構築しております。

【同梱物を含めた物流代行(発送代行)を依頼する時に注意するポイント】

同梱物は①顧客の購入頻度×②居住エリア×③季節ごとのイベントやセール×④同梱ツールの種類(チラシ・メッセージカード・パンフレット・割引クーポン・ノベルティなどで、その組み合わせは無数にあります。

特にチラシやパンフレットの種類だけで100パターン以上ある企業様もあり、ユーザーの購入頻度や居住エリアなどの組み合わせを考慮すると数千パターンの同梱物の制御が必要になってくる企業様も珍しくありません。そうなると物流業務が非常に複雑化することになります。

 

一方で、前述のとおり同梱物は有効なCRM施策となると同時に、入れ間違えるとリピートどころか大切な顧客を失いかねません。しかしながら、チラシやメッセージカードには識別するためのバーコードやQRコードが添付されていないことがほとんどです。

 

したがって、自社だけで対応が難しい場合はアウトソーシングを検討することも有効な選択肢となります。物流会社に委託する場合、商品の発送代行を誤出荷・未出荷なく行うことはもちろんバーコードが付いてない同梱物においても、顧客属性や購入回数に応じて無数に存在する組み合わせの中から正しく制御できるシステムを構築している企業を選ぶべきです。

以下でそのポイントを見ていきましょう。

1.倉庫管理システム(WMS)で同梱物を管理

同梱物を含めた商品発送代行を依頼する時は、まずはじめに「倉庫管理システム(WMS)」を導入し、同梱物の出荷指示体制を整えている物流会社を選びましょう。
倉庫管理システム(WMS)を導入すれば同梱物についてもピッキングリストや検品画面上でのデジタル管理が可能です。顧客の属性に合わせて最適な同梱物若しくはその組み合わせがシステムによって自動的に抽出されます。ただし、前述のとおり同梱物にはバーコードがないことが多く、「システムによって抽出されたものを100%その通りに正しくピッキングする」ということができず、アナログ的な作業が残ります。三協では同梱物を保管しているロケーション内に疑似バーコードを生成し、同梱物が合っているかの確認についてもスキャンによる処理作業が可能な業務フローを構築しているためヒューマンエラーを徹底的に排除、素早く正確な出荷処理を実現しています。

 

2.同梱物の内容は常に変化していく

EC市場に参加する企業の業種・取扱いの商材・販売戦略などは多種多様であり、まったく同じ企業は存在しません。また、事業モデルのフェーズや市場の変化によって取りうるポジショニングは日々変わっていくことが予想されます。そのため、同梱物の内容や組み合わせも常に変化し続けることになります。

したがって、その変化に対して物流側面から支援してくれる物流会社を選ぶことが重要です。
事業者ごとの同梱物に関するニーズや課題に対して真摯に向き合ってくれる物流業者であれば、EC事業者は数多くの同梱物を利用して売上向上に繋げることができるでしょう。

【同梱物を制すものはECを制す】

今回は同梱物のメリットや気をつけたい点、また、同梱物を含めた物流代行(発送代行)を依頼する際のポイントについて解説しました。EC事業者は同梱物を効果的に活用することにより、売上の向上やリピーター獲得を実現することができます。

同梱物は三協でも非常に力を入れている物流施策です。

足元では、CRMに注力しているコスメ企業様からの依頼で「前回注文時に不良交換などのトラブルがあったユーザーに対してシステム上でパラメータを持たせることにより、あらためてのお詫びと感謝を込めたメッセージカードを同梱する」という物流システムを提供させていただきました。

その他にもWMSと顧客管理システムとの連携など同梱物についての豊富な開発事例や連携実績があることに加え、多数のシステムエンジニアが在籍しているため、ご依頼から数日以内でOne to Oneマーケティングを実現する同梱物施策を開始することが可能です。数千通りの複雑な組み合わせのオーダーであってもデジタル管理にて正確に制御し、確実に同梱できますのでご安心ください。

 

LTV向上を見据えたリピーター獲得や、顧客売上単価向上についてお悩みのEC事業者様、

商品も同梱物も誤出荷ゼロの三協にぜひ一度ご相談ください。

 

同梱物変更に関する事例はこちら

https://www.kk-sankyo.com/case/cosme_logistics-outsourcing/

三協の物流代行サービスはこちら
https://www.kk-sankyo.com/outsourcing/

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