発送代行とは?メリットとデメリットや業者の選び方を解説

これからEC事業を始める方や発送業務にお困りの事業者様におすすめなのが「発送代行」のサービスです。ノウハウがなくてもすぐに質の高い発送業務サービスの提供ができるため、近年は増加の一途をたどっています。そこで今回は、発送代行の特徴やメリット・デメリット、業者の選び方などについて解説します。

発送代行とは・意味

発送代行とは、ECショップ運営者やネットショップオーナーなどが発送業務の一部を外部業者にアウトソーシングすることです。発送代行サービスを請け負っているのは倉庫管理や配送サービスなどを行う物流業者がメインですが、最近では楽天やAmazonなどのECモールなども発送代行などのロジスティクス分野まで事業領域を広げています。

発送代行が増加している背景

近年、物流の分野では発送代行が増加傾向にあります。またECサイトから海外への商品販売を行う越境ECを展開するECショップも増えており、ネット販売事業にとって発送代行サービスは欠かせない存在になっています。

経済産業省EC販売の市場規模データ

増加の理由は2つあります。1つはECサイトで求められる顧客サービスの水準がハイレベルになってきていることがあります。経済産業省のデータによると、コロナウイルスも影響もあり、2020年のEC販売の市場規模(物販系)は12兆円を超えており、昨年度対比で20%以上増加しています。このようにECの市場規模が拡大するにつれて、消費者が百貨店のような店舗で購入する際に求めるようなサービスや接客の水準をネットショッピングにおいても求めるようになっています。包装のリクエスト、細かなラッピングやギフトカードなど、EC事業者の発送作業にかかる業務負担は日増しに大きくなっています。その結果として、効率的な販売業務遂行のために発送代行サービスを利用する事業者は増加しています。

ECサイトやSNSのイメージ

もう1つの理由は、BASE・Shopify・STORESなどの販売サイトを構築するサービスや、インスタグラムやyoutubeなどのSNS集客で少額の資金で手軽に自身のECショップを運営することが可能になったことです。このように、発送業務の知識や倉庫管理のノウハウを持たない事業者がネット販売を行うケースが増加したため、入出庫作業や加工作業などの物流ノウハウを持った外部業者に発送代行サービスを依頼する割合が高まるという結果になっています。

発送代行の具体的な内容と業務

倉庫管理をアウトソーシングした場合の発送代行サービスに該当する部分は、主に商品の入荷、検品、在庫管理やピッキング、発送作業などです。代行業者によっても若干異なりますが、倉庫内作業(入荷・検品・保管)から発送の前後(ピッキング、検品、梱包、配送)に関連した業務であることがわかります。

 

中には、ギフトラッピングや箱詰めや組み立て、同梱物の封入作業なども発送代行サービスに含まれる場合もあり、費用の上乗せによって様々なオプションを発送代行サービスとして提供する物流事業者も少なくありません。

発送代行を導入するメリット4つ

発送代行には多くのメリットが存在します。ここでは4つのメリットを紹介します。

コア業務に集中できる

ECショップを始め、発送代行サービスを利用する会社は、発送作業以外にも多くの業務を抱えています。例えば、新商品の企画・開発、取扱い商材の販路開拓、販促活動やECサイトの構築や写真撮影、入庫作業や在庫管理・受注管理、カスタマーセンターの運営などです。そこで発送代行サービスを利用することで、発送作業の負担を減らし、コア業務に集中できる環境を作り出します。発送代行を利用することによって、人手不足の解消や業務効率化の向上を実現し売上を直接生み出す業務に限られた人的リソースと時間を投入することが可能になります。

発送代行のイメージ

出荷精度の向上

発送代行サービスによるメリットは、出荷精度が向上することです。具体的には、発送作業を効率的に運営することが可能となることから「ヒューマンエラー(人為的ミス)を極小化する」「発送に関する作業効率が飛躍的に高まる」というメリットを委託することで享受できます。商品を購入したユーザーにとっては、正しい商品を素早く受け取れることはもはや最低限のサービス内容であり、出来て当然になります。仮に出荷に手間取り、商品の到着が遅れた場合や、注文内容と異なるアイテムがユーザーに誤発送された場合、クレームリスクが高くなります。また、クレームとならずとも二度と商品を購入しなくなってしまうというリスクは残ります。(アメリカのeサティスファイ・ドットコム社の調査によると、購入した商品やサービスに不満をもつユーザー100人のうち、実際にクレームを言う人はたった4人であると言われています。)将来的に顧客数と発送作業の増加が見込まれる場合には、早々に発送代行に切り替えることで物流のサービス品質を高めることも有効な選択肢となります。

物流コストの削減になる

自社で発送業務の仕組みをゼロベースで構築するよりも、発送代行を利用するほうがコスト負担は少なくなる傾向にあります。発送業務を自社で行った場合、倉庫内作業で発生する人件費に加え、倉庫用地や物流センターの賃貸料が商品(荷物)の取扱量に関わらず固定で掛かります。また、物流システムのランニングコストなども必要になります。発送代行では物流費を使用した分だけ支払えば良くなるため、人件費や保管コストの変動費化など、結果として大きなコスト削減に貢献する場合も少なくありません。加えて、物流のプロに発送代行を委託することで、資材コストや配送費用についても専門業者との交渉を荷主に代わって定期的に実施することでコスト削減となる可能性も高まります。

コストの管理

物流コストの透明性が高まる

自社物流の場合、発送業務にどのくらいのコストが掛かっているのかを正確に算出することは簡単ではありません。例えば商品の発注、販売管理、出荷作業を掛け持っている従業員の就業時間全体のうち、どれくらいの割合で発送業務に従事していたかを厳密に算出することは、現実には難しいと言えます。しかしながら、発送代行では、その部分の費用を算出して請求されるため、発送にかかる費用が明確になります。そこから経営戦略にマッチした形でコストと品質のバランスについて対策を講じることも可能になります。

発送代行サービスのデメリット3つ

上記メリットに対して、いくつかのデメリットもあります。ここでは特に注意したい3つのデメリットを紹介します。

プライバシーポリシーの賞状

個人情報が外部に流出する危険性

発送代行業務では通常、顧客の情報が依頼した代行委託業者に渡ることになります。そのため、企業機密や個人情報の流出対策を徹底しているところを選定する必要があります。自社内にも個人情報漏洩の危険は潜んでいますが、自社の対策を強化を行っていたとしても、発送代行業者側の認識が甘ければ万が一の事態も有起こり得ます。安価であるという理由だけで安易に発送代行サービスを利用するのは危険です。「個人情報の取扱いに関する責任区分について、発送代行業者との契約書に適切に盛り込まれているか」「個人情報保護に関して一定の要件を満たした事業者に対して認められる登録商標であるPマークを保持しているか」などを確認したうえで適切な代行業者を選定するようにしましょう。

物流ノウハウを蓄積できない

発送代行サービスは、発送の委託業務であるため、自社に発送業務のノウハウが蓄積しないというデメリットが発生します。最初から発送代行業者を利用し、後から自社で発送業務フローを構築しようとしてもノウハウがないため、自社物流に切り替えた瞬間に品質が低下してしまうという可能性があります。

柔軟な発送代行サービスが提供されないことがある

発送代行業者によっては、いざ委託してみると柔軟な個別対応が出来ないということも少なくありません。代行業者に依頼する際は、口頭での確認だけではなく、「イレギュラーな入出荷時間の対応など、具体的な対応実績があるのか」「個別対応を安定的に実現するためのシステムや運用フローを構築しているのか」ということをチェックしておいた方が良いかもしれません。また、費用についても丁寧に考える必要があります。臨機応変な対応はしてもらえたものの、割高なオプション料金を後で請求されるというケースもありますので見積もりの段階で細かく取り決めを交わしておくようにしましょう。

発送代行サービス業者の選び方

費用面に注目

発送代行を利用する場合、業者の選び方にもさまざまな基準があります。

まずは費用面です。代行業者によって、料金項目の粒度は異なります。表面的な単価を比較することも大切ですが、単位ごと(ケースやピースなど)に詳細な単価設定がされている事業者の方が発送代行費用の内訳が分析できます。また、締め時間を過ぎた場合や緊急対応に関する料金説明やサポート体制、今後の販売戦略を勘案して将来的に発生する可能性が高い項目についても言及してくれるような外部業者であれば信頼できると考えられます。

倉庫環境

倉庫内の保管環境を確認

次に、倉庫内の保管環境も重要な要素です。保管方法に関しては物流業者それぞれに得意・不得意があります。特に医薬品や化粧品、オーガニック食品などの管理を行うためには専門の許可証の保有が必須となります。また、お菓子やスイーツといった食品関係であれば、温度管理や湿度管理が必須となります。温湿度管理を怠った場合、商品に大きなダメージを与えてしまい、結果として顧客の信頼を損なうのはもちろん、食品事故などの重大な事件につながる恐れがあります。発送代行を依頼する倉庫が自社の製品を保管・発送する上で適切な環境かどうか見極めましょう。倉庫見学を事前に依頼するのも有効な対策と言えるでしょう。

梱包や発送作業のイメージ

柔軟な対応ができるかを確認

最後に、発送代行業者が柔軟なサポートをしてくれるかということも大切な条件です。「一部の商材でバーコードが添付されていない」「梱包後の段ボールが特定のサイズを超過した場合は配送業者を変更したい」「先入先出で賞味期限管理をしたいが、特定の販売先には賞味期限が半年以上残っているアイテムを優先的に出荷したい」このようなイレギュラーな依頼でも臨機応変に対応してくれる代行業者であれば、将来的にマーケット環境が変化し、事業戦略の変更が必要になった場合でも、それに伴った柔軟な発送代行を提供し続けてくれるものと考えられます。

まとめ|発送代行サービス

発送代行サービスは、多くの企業にとって大変便利なオプションです。
この新規のサービスは、全国各地で利用され、期待に応えるために追加のスペースやリソースを提供します。

 

一般的な発送作業との違いは、その便益にあります。企業は自身の商品を発送するためのスペースや人員を確保する必要なく、固定費を最小限に抑えることができます。さらに、発送代行業者は、拠点を複数持っており、多くの顧客のニーズに合わせて柔軟に対応します。

基本的なサービスの契約金額は、事前に確定されており、その金額を予算に組み込むことができます。
これにより、予測可能な運送コストを確保し、予算に余裕を持たせることができます。

発送代行サービスは、効率化を図るためのツールとしても役立ちます。
専門の担当者が指示に従って発送を管理し、ミスを最小限に抑えます。
これにより、商品が確実に顧客に届けられ、信頼性が向上します。

 

多くの企業に向けたこのサービスは、特に大量の商品を発送する企業向けに適しています。
発送代行業者は、発送に関する全ての作業を担当し、企業は自身のコアビジネスに集中できます。
そのため、多くの企業が発送代行サービスを活用しており、そのニーズがますます増えています。

要するに、発送代行サービスは企業にとって非常に便利で、効率的なオプションです。
発送に関する基本的な業務をアウトソースすることで、金額を節約し、ミスを減らし、全国各地に多くの商品を確実に発送することができます。
この記事では、その便益と利点についてわかりやすく説明しました。

【三協からの一言】

頻繁なロケーションメンテナンスイメージ

メディアへの露出等によって、売上が急拡大するような場合、発送業務が急に追いつかなくなる事は決して珍しくありません。インスタグラムやツイッターなどSNSの発達によって、ブームに火が付くと短時間で一気に人気が集中し、注文が殺到することになります。そこで物流が円滑に進まず、発送が滞ってしまった場合、機会損失になるだけでなく、ネガティブなコメントによってブランドイメージが棄損することもあり得ます。だからこそ、優良な発送代行業者に物流を委託し、商品企画や販売というコア業務に集中するということも一つの選択肢になってくるのではないでしょうか。

三協では、保管料を下げるために、販売状況を加味したロケーションメンテナンスを頻繁に実施するとともに、商材の荷姿や出荷頻度に合わせた効率的な保管を心がけております。また、作業費用についても100%自社スタッフの活用を徹底するなど人件費の圧縮に努めております。さらに、物流専門のSEが多数在籍しており、システム構築を内製化、お客様の業種・業態で異なる細かいリクエストに対して、柔軟なカスタマイズ対応を実現しております。

発送代行の導入がおすすめ!

今回は、発送代行の概要やメリット・デメリット、業者の選び方などについて説明しました。発送代行ではノウハウのある業者が物流の安定したサービスを提供し、コスト負担の軽減やコア業務への集中などメリットとなるさまざまな恩恵をもたらします。メリット・デメリットや業者選びのポイントを把握したうえで、自社に最適な業者を検討しましょう。

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