なぜ発送代行をする必要があるのか
―代行するということを出庫・配送のプロが真剣に語る―

「発送代行」という言葉は広く使われていますが、単なる外注作業のように安易に捉えられることも少なくありません。本来の発送代行とは、お客様との約束を確実に果たすこと、つまり正しい商品を約束どおりに出荷することを担保するものです。
すなわち、未出荷や誤出荷をゼロにすることこそ、発送代行業者に課せられた最大のミッションであると私たちは考えています。
三協は創業以来57年間、震災やコロナ禍といった社会的な混乱や、SNSのバズや突発的なイベントで出荷量が何十倍にも膨れ上がった局面であっても、その日の出荷を止めたことはただの一件もありません。
さらに誤出荷ゼロ・在庫差異ゼロにも徹底して取り組んでいます。足元の5年平均では、誤出荷率は270万件に1件(0.00004%)以下という水準を達成しました。この数字には、入出荷に関するマスタや取引データをお預かりできず、当社のWMS(倉庫管理システム)を使用できない一部のお客様も含まれています。したがって、自社開発の物流システムを利用されているお客様に限れば、出荷精度はさらに高い水準となっています。今年に限定すれば全顧客において、1件の出荷ミスも発生していません。
こうした物流品質を支えているのは、大阪や奈良といった近隣エリアに集中的に展開する8拠点と、そこに在籍する300名を超えるパートスタッフの存在です。拠点同士の距離が近いため、繁忙期や急な欠員が出た際にも、スタッフが日常的に行き来しながら応援に入ることができます。
特定の業務が急に忙しくなれば、別の拠点からすぐに駆けつける。こうした柔軟な人の動きによって、繁閑差や季節変動に左右されない安定稼働を実現してきました。インフルエンザの流行やコロナ禍といった不測の事態においても、この体制が機能し、出荷を止めることなく安定した供給を続けています。
さらに、システムエンジニアが現場の声を反映し、使いやすさを徹底追求したシステムカスタマイズを行っていることも、物流品質を高め続ける大きな要因です。現場に足を運び、パートスタッフから日々寄せられる「この作業がやりづらい」「ここをもう少し簡単にしてほしい」といった声を直接吸い上げ、すぐに改善へとつなげています。机上の設計ではなく、現場で働く人の不便さを取り込み続けるからこそ、システムは常に進化し、現場に根付いた形で品質を支え続けているのです。
発送代行の4つのメリット

発送代行は人件費を“少数点レベル”でコスト管理できる
たとえば自社で社員を5人雇用していた場合、業務量が常に5人分あれば問題ありません。しかし、ある日は7人分の仕事、別の日は3人分で済むといった波があります。この変動に対応するためには余剰人員を抱える必要があり、人件費は固定費として重くのしかかります。
発送代行を活用すれば、この部分を変動費化できます。例えば3.5人分の仕事量であれば、その分の費用だけが発生し、余計な固定費を削減できます。最低賃金が過去最高水準で上昇を続ける中で、人件費を柔軟にコントロールできることは、経営戦略上きわめて重要です。

発送代行は入荷制限・出荷制限から解放される
<入荷制限>
新商品や売れ筋商品の返品アイテムが倉庫に届いた瞬間に、即座に在庫として計上できるかどうかは非常に重要です。もしこれが遅れれば、本来は正規価格で売れるはずの商品が、販売機会を逃してしまいます。
特にシーズンアイテムは、販売のタイミングを外すほど価値が急速に下がっていき、最悪の場合はセール価格でしか捌けなくなるリスクもあります。つまり、入荷から在庫計上までの遅延は、企業にとって致命的な機会損失につながるのです。
企画にも仕入れにも手間暇をかけた商品が、倉庫に届いているのに販売を開始できない。そんな状況ほど歯がゆいものはありません。
<出荷制限>
今の消費者は、商品が届くまで長く待つことに寛容ではありません。
せっかくエンドユーザーが貴社の商品に魅力を感じ、オンラインサイトで「購入」を決めてくださっても、配送が遅れれば、即日配送に対応する競合サイトに奪われてしまいます。しかも問題は、それが単なる1件の売上ロスにとどまらないことです。
2023年の米国の調査によると配送が遅延した場合、69%の顧客が次回以降そのお店で買い物をしない可能性が高くなるという調査結果があります。さらに、「届かない」「遅い」といった不満がSNSやレビューに投稿されれば、その何倍もの潜在顧客を同時に失うリスクがあります。物流における出荷制限や遅延は、企業のブランド価値を静かに蝕む“見えない致命傷”となり得るのです。
発送代行は離職率を下げてくれる
サロンスタッフが施術の合間に梱包をしたり、営業や企画部門が繁忙期に倉庫で作業をする――これは多くの企業で見られる光景です。しかし本来やりたい業務と異なる仕事を押し付けられれば、不満は積み重なり、気づけば離職へとつながります。
「発送作業が忙しくて本業の企画に手が回らない」
「施術スキルを磨きたいのに」
「残業してまで発送作業をしたくない」
こうした声を放置すれば、せっかくの有能な人材が転職市場に流れてしまう危険性があります。さらに多くの倉庫は郊外やアクセスの悪いエリアに位置しており、往復に1時間以上かかることも珍しくありません。結果として「本来の業務ではない上に、遠くの倉庫まで行かなければならない」という二重のストレスが、離職リスクを一層高めてしまいます。

発送代行はコア業務に専念させてくれる
売上を伸ばすためには、良い商品を開発し、ブランドを育て、効果的なマーケティングを継続的に実行することが不可欠です。これこそが企業のコア業務であり、競争力の源泉です。
しかし、発送作業に追われれば、新商品の企画や販売活動がおざなりになり、本来注力すべき領域に力を割けなくなってしまいます。
物流では、「ロケーション管理手法」「統計的な在庫分析手法」「物流システムやマテハンに関する知見」「商品の特性に応じた入出荷ルール」「貿易や税関の知識」など、非常に多岐にわたるスキルが求められるため、そもそも身につけるのが難しい領域です。
また、物流企業なら“物流を学びたい”という動機で入社する人もいますが、メーカーや商社、小売といった一般企業では、在庫管理や物流実務を学ぶために志望してくる人材はほとんどいません。結果として、現場で学ぶ動機もどうしても薄くなりがちです。
したがって、自社で物流のプロフェッショナルを育成し、体制を強化していくのは、構造的に見ても難しいのが実情です。
発送代行を導入すれば、こうした制約から解放され、企業は「何を作るか」「どう売るか」という経営戦略に基づいたコア業務にリソースを集中できます。結果として、売上と利益を最大化することができるのです。
たとえば、催事やイベント販売の現場では、本来スタッフは「売ること」に集中すべきです。しかし実際には、商品準備や備品管理、返品対応といった物流業務に追われ、販売機会を最大化できないケースも少なくありません。発送代行を活用すれば、こうした作業を任せることで現場スタッフは接客や販売に専念でき、結果として売上に直結します。
同じことはECにおいても言えます。楽天の「最強翌日配送」、Amazonの「マケプレプライム」、Yahoo!ショッピングの「優良配送」といった配送ラベルを取得できれば、売上を大きく伸ばせます。しかし、その実現には土日祝を含む安定した出荷体制が欠かせません。
自社で担うには負担が大きいですが、発送代行を導入すれば、安定した体制を確保しながら、社員は「何を作るか」「どう売るか」といったコア業務に集中できます。リアル販売でもECでも、発送代行を活用することが販売機会を最大化する近道なのです。
プロの発送代行業者は生産効率を極限まで高めている
発送代行といっても、どの業者に依頼しても同じではありません。成果を出せるのは、豊富な実績と高い専門性を持つ“プロフェッショナル”です。
ここでは、当社がどのように生産効率を高めているのかを3つ紹介します。

情報のジャストインタイム
発送代行の生産効率を高めるために、まず必要なことは情報のジャストインタイムです。すなわち、「必要な情報を必要なタイミングで」受け取る仕組みが不可欠です。
なぜこれが生産効率の向上に直結するのでしょうか。
理由はシンプルで、必要な業務量を正確に算出できるかどうかに関わっているからです。入荷量や出荷量を正確に把握できなければ、当然ながら事前準備はできません。その結果、予想以上に忙しくなったり、思ったより作業内容がイレギュラーで難しかった場合には、現場では場当たり的に人員をかき集めたり、無理やり残業で対応したり、とにかくその場を回すことしかできなくなります。だからこそ、生産性は確実に低下してしまうのです。
ここで扱う情報は、大きく「確定情報」と「予測情報」に分けられます。
「確定情報」とは、未来の出来事ではあっても事実ベースで確定している情報のことです。たとえば入荷予定や展示会に伴う出荷計画など、すでに決まっている情報を指します。「予測情報」とは、そうなる“見込み”に基づく情報です。セールによる需要増加や返品見込みなど、確定ではないものの、過去データから一定の精度で予測できる情報を指します。
「確定情報」としては以下のような例があります。
・5日後に新商品5,000ピースがコンテナで入荷予定
・来週から3つの百貨店で展示会があり、3,500ピースのアイテムを出荷予定
これらは、WMS(倉庫管理システム)に取り込むことで、入荷エリアやロケーションの確保、人員の割り当てなど具体的な作業計画にすぐ反映できます。
「予測情報」には次のようなものがあります。
・楽天スーパーセールで出荷量が10倍程度に増加する見込み
・展示会終了後、当初出荷した3,500ピースのうち約半数が倉庫に戻ってくる見込み
このような「予測情報」であっても、一定の精度で把握できれば、物流現場では前もって準備することが可能になります。
つまり、「確定情報」と「予測情報」の両方をWMSに取り込み、ロケーション確保や人員計画に反映させる。この仕組みこそが、生産効率を飛躍的に高める基盤になるのです。
ここでいう“情報”とは、単なる入出荷量に限りません。セールの実施や割引クーポンの配布、特定商品の売れ筋情報など販売施策に関する情報も、事前に共有されていれば当日の混乱を未然に防げます。さらに、「特定の商品にJANコードが付いていない」「特定の仕入先では同梱作業が発生する」といった細かな情報も同様です。
これらをジャストインタイムで受け取ることで、作業計画を前もって最適化でき、結果的に生産効率を大きく高めることが可能になるのです。

標準作業時間の削減
情報管理の次に重要なのは、入荷・ピッキング・出荷検品・梱包といった一つ一つの作業の能率と効率を高めることです。
そのために欠かせないのが、各作業に“標準作業時間”を設定し、その時間を基準に日々の改善を重ねて削減していくことです。こうした取り組みを継続することで、発送代行におけるコスト競争力が生まれます。
具体的な改善策としては、整理整頓や倉庫のロケーション設計(ABC分析やヒートマップ分析)、マニュアルの視認性向上などがあります。ここでは人間工学・認知工学・行動心理学といった知見を応用することが効果的です。イメージ図や写真を多用した作業手順書を整備し、誰でも迷わず作業できる環境を整えることも、そうした改善の一例です。
当社の取り組みとしては、ロケーション番号やピッキングリストを極力シンプルに設計し、新人スタッフでも迷わず商品を探せるようにしています。作業台や棚は、ピッキングや検品のしやすさを考慮した高さやスペースに設計し、無駄な動作を抑える工夫を随所に取り入れています。
また、複雑な業務も単純化と標準化にWMS(倉庫管理システム)を組み合わせることで吸収しています。
たとえば商品を入荷した際、ロット区分や賞味期限があろうとなかろうと、担当者が行うのは「バーコードをスキャンする」という単純かつ標準化された行為だけです。人間が商品ごとに確認する必要をなくし、誰でも単純な処理作業で高い生産効率を実現できる仕組みにしています。
さらにWMSの画面は「次に何をすべきか」が一目で分かるように設計されており、不要な画面切り替えや複雑な操作を極力無くしています。これにより経験の浅いスタッフや断続的にしか現場に入らないスタッフでもスムーズに業務を進められ、入社初日からでも即戦力として作業に参加できる環境を実現しています。
この仕組みは、まさにコンビニエンスストアに近いものです。コンビニのレジは、在庫管理や賞味期限管理、公共料金の支払い、キャッシュレス決済など多岐にわたる業務を、誰でも簡単に処理できるようにシステム化されています。当社の物流現場でも同様に、ロット管理、納品先ごとに異なる出荷ルール、返品対応といった複雑な業務を仕組みとシステムによって吸収し、誰が作業しても熟練スタッフと同じ水準の効率と正確性を担保しています。
そして最も重要なのは、これらすべての取り組みが“標準作業時間を削減する”ために行われているという点です。整理整頓やロケーション設計、単純化・標準化・システム化といった改善の積み重ねこそが、発送代行における生産効率の源泉となるのです。

作業者一人ひとりの生産効率を極限まで高める
そして最後に重要なのは、作業者一人ひとりの実作業の生産効率を極限まで高めること です。この取り組みは大きく二つの軸で進めています。
(1)手待ち時間をゼロにする
言うまでもなく、手待ち時間が発生している限り、生産効率は上がりません。
ここでいう「手待ち時間」とは、作業が割り当てられていない状態で現場スタッフが待機している時間を指します。表面的には「人はいるのに作業が進んでいない」状況であり、現場にとっては大きなムダです。
手待ちが発生する原因は大きく二つあります。
1つは、業務量の予測が不十分で必要以上に人を配置してしまい、結果として余剰人員が生まれるケース。もう1つは、業務自体はあるのに作業が属人化していて「この人しかできない」ために手が空いてしまうケースです。
当社では、前者については「確定情報」と「予測情報」をジャストインタイムで把握する情報管理によって解消しています。正しい業務予測ができれば、そもそも余剰人員を生まない計画が可能です。後者については、業務を徹底的に単純化・標準化し、さらに職能管理表を活用してスタッフ一人ひとりを多能工化することで対応しています。
これにより、誰でも必要な作業に即時に入れる体制を整え、手待ち時間を限りなくゼロに近づけています。
(2)実作業のスピードと正確性を高めること
手待ち時間解消の次に重要なことは、実際に作業している時間そのものをいかに短縮できるかという点です。これは単なる空き時間の解消ではなく、作業スピードと正確性を磨くスキルアップの取り組みでもあります。
当社ではピッキング数や検品数といったデータを日々収集・分析し、標準作業時間を基準に実作業時間をどこまで短縮できるかを重視しています。現場責任者は1日に何度も現場を巡回し、その瞬間の動きを観察。生産性が低ければ、生産性が高いスタッフとの違いを分析し、具体的な改善策を即座にフィードバックしています。さらに、ビデオ検証も組み合わせることで「どの動作に無駄があるのか」を客観的に可視化し、改善の精度を高めています。
こうした仕組みは、単なる管理にとどまらず行動科学の知見を活かして実効性を高めています。ホーソン効果(見られていることでパフォーマンスが上がる)やフィードバック効果(自分の数値が即時に可視化されることで改善意欲が高まる)が自然に働くことで、スタッフは改善を継続するモチベーションを持ち続けられるのです。
まとめ ― 発送代行は「何を作るか」「どう売るか」に集中するための最良の選択
発送代行の最大のメリットは、単なる外注ではなく、企業が売上とブランドを守りながら成長するための“戦略的な選択”である点です。人件費を柔軟にコントロールし、入出荷制限や配送遅延といったリスクを回避し、従業員の離職を防ぎ、そして何よりも「何を作るか」「どう売るか」に経営資源を集中できる――これらはすべて、発送代行を導入することで得られる大きな効果です。
とりわけ消費者の目が厳しく、選択肢が過剰に存在する市場環境では、誤出荷や配送遅延はブランド価値を傷つけます。だからこそ、発送代行に求められるのは単なる作業代行ではなく、「決して止めない」「決して間違えない」物流品質です。
三協は創業57年、震災やコロナ禍といった社会的混乱でも一度も出荷を止めなかった実績を持ちます。誤出荷率は270万件に1件(0.00004%)以下、さらに自社開発のWMSを駆使し、今年は全顧客で誤出荷ゼロを継続中です。大阪・奈良を中心に展開する8拠点×300名のパート体制によって繁忙変動にも即応し、安定した発送代行を実現しています。
「何を作るか」「どう売るか」に全力を注ぎたい――。
その想いを支えるのが、三協の発送代行です。ぜひ「三協 発送代行」で検索いただき、私たちの物流品質をご確認ください。