最大出荷が2倍超でも“誤出荷・未出荷・在庫差異”ゼロ
「客注」「返品」「出荷指示」「他システムとの連携」など
思い描いたとおりの倉庫管理システムに大満足

三協では物流に特化したSEが、独自の倉庫管理システム「SANTA(サンタ)」をお客様ごとにオーダーメイドで構築しています。

お客様の細かなこだわりやご要望にも、物流のプロとして寄り添い、一つずつ解決していくことが三協の強みです。

 

今回は、SANTAについて「非常に満足のいくものを作っていただきました」とご好評いただいている株式会社プライアの浦辻様と白瀬様にお話を伺いました。

10倍以上の繁閑差に物流現場から悲鳴が。スタッフを増員しようにも、作業を覚えるまでに「6か月」かかる現実

プライアさんはどのような会社ですか?

 

弊社はオリジナルの婦人靴を取り扱うメーカーです。「ヒルズアヴェニュー」というブランドで銀座や神戸元町にある直営店舗をはじめ、百貨店での催事や自社ECにて販売をしています。30代から70代までに幅広く支持されており、華やかなデザインと機能性(歩きやすさと疲れにくさ)を両立させた商品を作っております。近年はトレンドデザインに比重を置いたラインナップの展開や、中国SNSを活用したライブ配信などに力を入れております。

自社物流からアウトソーシングに

切り替えようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

特に悩みのタネだったのが、繁忙期と閑散期の人員コントロールです。

繁忙期と閑散期の差は、出荷件数だけでいうと10倍以上ありました。ある程度の予想はたてるのですが、そのスポットだけピンポイントで作業に慣れたスタッフを用意するというのが非常に難しいところでしたね。繁忙期には本社から人員を派遣するのですが、

そうすると時間を割くべきコア業務(売れ行きを勘案した商品企画や販促活動など)に支障が出てしまうということもよくありました。

 

その他にも、「EC在庫と店舗在庫を一元管理して保管スペースを圧縮したい」「百貨店催事や自社店舗での客注をもっと迅速に行って、接客やディスプレイの工夫などに専念したい」「返品対応のスピードを高め、EC売上を拡大したい」など、物流がネックとなることで対応出来ないことが増えてきたため、アウトソーシングを検討しました。

アルバイトや派遣スタッフを

臨時で雇うという選択肢はなかったのでしょうか?

 

すべての物流業務をひととおり覚えるまで最低でも入社してから6か月は掛かるため、難しかったですね。品番単位で商品が置いてある場所(8000番台の品番はこの棚に置いてあるなど)を覚えないとまずピッキングすら出来ません。保管スペースが不足し、余剰分を別の保管場所に置く時は明文化されていない例外的なルールが存在したり。しかも、売れ行きや入庫状況に応じて保管場所の変更を週次で行うためその場所が頻繁に変わったりして。

 

その他にも「店舗からの客注に電話とFAXを使いながらアナログで確認する」「領収書が必要な場合に手書きで対応する」「商品マスタの整備が出来ておらず、セール商材についてはバーコードに手書きでマーキングをする」と、現場スタッフが煩雑な作業を記憶し、優先順位をつけて臨機応変に対応することが求められていました。

 

上記のような状態により、定期的にシフトに入ってないとそもそも戦力にならないという現実がありました。派遣スタッフを雇おうとしたら現場から「この忙しい時に、教える時間の方がもったいないからやめて欲しい」と言われたこともあります。良かれと思って提案していたのですが、「まあそうだよな」と納得してしまいました。

物流品質についての課題はありましたか?

弊社の場合、基幹システムはありましたが物流に関してのDX化(倉庫管理システムで制御された在庫管理など)が遅れており、まず「在庫をリアルタイムで引き当てる」という概念がありませんでした。そのため、仮に基幹システム上に商品Aの在庫が1点あり、出荷指示にそのAが含まれていたとしても引き当てがかからず、実際に出荷可能な個数をリアルタイムで把握することが出来ない状態でした。

もしも別の出荷指示や店舗からの取り置き依頼があっても、基幹システム上は1のままになっており、「その度にその商品が本当にまだ残っているかを現場で確認する」必要がありました。これは本当に著しい弊害だったと思います。さらに厄介なのは、仮にその商品Aが保管場所に残っていたとしても、「他の出荷指示でのピッキングがまだ完了していないだけ」という可能性もあるため、その確認作業にも余計な時間が掛かっており、現場には負荷が掛かっていました。

 

また、人の注意力に依存したアナログ管理であったため、誤出荷や在庫差異などのケアレスミスも発生しておりました。品番単位で管理をしていたため、カラーやサイズの判別については、外装に貼ってある表記や写真で判断しておりました。特に、「黒のスムース」と「黒のエナメル」などは見分けがつきづらく、慣れたスタッフでも間違えずに作業し続けるのは難しい状況でした。

他にも「ベージュ」と「アイボリー」で色の区別がつきづらいとか、いわゆる現場の“間違えあるある”がたくさん存在するような感じでした。取り間違いが発生しやすいということは、入庫時の入れ間違いや返品の戻し間違いも発生します。写真が似ていて間違いやすい場合は「注意喚起の看板」をつけたりしましたが、効果は限定的でした。誤出荷もその要因のひとつではあるのですが、在庫差異が発生するとどうしても作業が滞ってしまいます。システム上あるはずの在庫が決められた保管場所になかった時の焦燥感は私も手伝っていたので本当に痛いほどよくわかります。

「違う場所に間違って置いたのか」「以前に出荷ミスをしているか」「入荷時に数え間違ったか」「基幹システムや受注管理システムの連携的な問題か」など、色んなパターンを思いめぐらせながら、広い倉庫内を懸命に探したものの、結局見つからなかった時の徒労感は本当につらかったです。

このような出荷パターンは検討しなくて大丈夫でしょうか?
一緒になって問題を解決する姿勢に勇気づけられた」

色んな倉庫会社さんを

ご覧いただいたかと思うのですが、

三協にしようと思った理由は何だったのでしょうか?

 

まずは、物流に特化した SEさんがいるという点ですね。弊社の販売管理システムや受注管理システムとのデータ連携を臨機応変に進めていく上で、 SEが在籍していて直接コミュニケーションが取れるという点は必要不可欠でした。例えば、納品先や出荷元の諸条件によって、「基幹システムと連携するための CSVファイル」の仕様(ステータス区分や条件フラグなど)が細かく変わってきます。このような細かな仕様に関しては直接エンジニアさんとやり取りをしないと抜けや漏れがどうしても生じますし、ニュアンスの取り違えで要望と異なる倉庫管理システム(WMS)となってしまうリスクがあります。

また、納品先や商品カデゴリに加え、セール商材、領収書の可否、他システムとのデータ連携など、「細かいパラメーター設定や掃き出しデータの生成方法を変える必要があるケース」が随所で発生しました。その時も常にエンジニアさんが先回りをして「このような出荷パターンは検討しなくて良いのか」という“潜在的なリスクの洗い出しから一緒に考えるという姿勢”でいてくれたため、非常に心強かったです。

また、営業チームの方の姿勢も同様でした。アウトソーシングになると、柔軟性や段取りも含めて「今まで自社物流だからこそ対応していたことがアウトソーシング後も担保されるだろうか」など、色々と不安材料も出てくるのですが、クライアントの立場になり、一緒になって問題を解決するという姿勢を見せていただきました。これには非常に勇気づけられましたね。本当に助かりましたし、一緒にやっていけるという確信になったと思います。

一緒にやっていけそうだと思われた点が具体的にあれば、教えていただけますか

 

要件定義の中で、運用開始後のお互いのフローを事前に決めておくのですが、弊社だけでは解決できない問題がいくつかありました。具体的には、弊社が使用している基幹システムを使用して、出荷指示や返品処理のステータス変更などを所定の時間までに行う必要がありましたが、弊社内の人的リソース的に難しいという話になりました。

三協さんに相談したところ、“その場で”簡単に「大丈夫ですよ、こういう風にしましょう」と基幹システムや受注管理システム等へ入力業務やステータス区分の変更フローの対策案をまとめていただけました。対応も非常にスピーディーでしたし、解決策も含めて具体的に提示してくださったのが、とても助けになりました。普通の物流会社であれば、「WMS以外の領域はそっちでやってください」と言われるのが関の山だと思いますが、三協さんの場合は、常にこうすれば(「この出荷データがExcel形式で用意されていれば」「備考欄にこの文字を入れれば」「この2つの情報をもらえれば」)解決出来ますよというスタンスで話を進めてくれるので一緒に仕事がしやすいと感じました。販売管理システムや受注管理システム、EDI、カートシステムなど倉庫管理システム以外の外部システムについても豊富な連携実績があるからこそなせる業であると感じました。

開発スピードは想定の3倍
ここまで“思い描いたとおりのWMS”が出来るのかとびっくりです!

当社のエンジニアからは、開発段階から様々な要望を頂戴したと聞いています。

 

そうですね。既存のシステムや仕組みでは実現できなかった販売施策が沢山あったので、かなりたくさんの機能や他システムとの連携などを要望しました。細かく上げればキリがないのですが、特に大きなものとしては「客注」「返品システム」「WMS内で出荷指示を生成し、取り込む」などの機能を構築していただきました。

店から倉庫への出荷依頼がワンプッシュに!!

客注のお客様をお待たせすることがなくなりました。

 

弊社では客注と呼んでいるのですが、自社店舗や百貨店での催事販売をしていると、どうしてもアイテムによっては在庫切れが発生します。従来のやり方ですと、

①基幹システムを見て在庫がある場合、店舗から倉庫サイドに電話で「実際に在庫があるか」を確認してもらう。倉庫側はその電話内容をもとに商品をピッキング

②1日の終わりにその日の客注をまとめてFAX(手書き)にして倉庫サイドへ送付

③倉庫側でそのFAX内容とピッキングした商品を再度目視で確認し、店舗や百貨店に送付

という非常に煩雑でアナログな流れでした。                

店舗側ではその度に接客が止まるので販売機会も減ってしまいますし、何よりお客様をお待たせしてしまうのが本当に申し訳なくて。お待たせした結果、システム上であるはずの商品が実際にはなく、欠品である旨をお伝えしないといけないこともありました。

 

倉庫のスタッフも聞きながら書き留めて在庫を探すので、時間と心理的な負担も相当あったと思います。しかも、言い間違い、聞き間違い、FAXによる書き間違いなどもあるため、物流現場も店舗側にも大きな負荷がかかっていました。特に百貨店での催事で送り間違いがあると弊社だけでなく百貨店様のブランドイメージにも影響しますので本当に困っていました。

 

今では、スマホやタブレットを使ってリアルタイムで在庫を確認できますし、ワンプッシュで倉庫に出荷依頼ができるようにWMSを作っていただきました。今はSANTAを活用し、お客様と一緒に確認しながら「何日後にお届けさせていただきますね」とお伝えすることができています。お客様をお待たせすることなく、コミュニケーションを取りながら活用できるようになったというのは、顧客満足度的にもすごく良い改善ができたと思っています。店舗スタッフからも「在庫があるかどうかを確認する手間」や「手書きでFAXを書く時間」などがなくなり、大好きな接客に専念できるようになったと喜びの声があがっています。

 

また、店舗には外部からの派遣スタッフが多く、情報管理の観点から基幹システムとは切り分けた状態で、かつ初見でも注文できるようにシンプルな画面設計にしていただけました。さらに、店舗在庫とEC在庫をデジタルで制御することにより、客注による出荷指示については、①店舗用在庫から優先的に引き当て、②店舗在庫がなくなった際はEC在庫からも引き当て可能にしておき、③EC販売での欠品リスクを考慮し、店舗用在庫がゼロでEC用在庫が商品ごとに定めた特定値(変更可能)を下回った際には物理的に客注が出来ないようなカスタマイズまで施していただきました。

他にも、客注登録した履歴を確認したり、注文内容に修正などがあった際にも簡単に変更できるような機能など、とにかく現場が使いやすいように構築してもらっています。

返品の検品

事前データの無いEC返品が即日で棚入れされ、

すぐに再販ができるように!

しかも、1件の返品ミスもありません

 

弊社では、オンラインショップからの注文で発送した商品が倉庫側に日々返品・交換(色やサイズを変更したい、イメージと異なったなど)で送られてきます。返品交換のハードルの低さが購入を促す要因にもなりますので、事前の返品予約などの手続きもお客様には求めておりません。したがってEC返品の入庫予定データはありませんが、それでも柔軟に返品交換ができる物流体制を構築するということは販売戦略上欠かすことは出来ません。

 

従来はすべてExcelで管理しており、返送されてきた商品1点1点に対して商品コード、カラー、サイズなどの情報を手入力していました。入力項目が多いため間違うリスクも高く時間も掛かっていました。返品完了までの時間的なロスが大きくなれば、売り逃しが大きくなってしまうため、大きな課題でした。

 

SANTAでは、新しく返品管理機能を追加開発いただき、返送されてくる返品伝票に記載された受注番号をキーに出荷情報を呼び出し、画面上で返送された商品を選択し、数量を入力するだけで返品が完了する仕組みを構築頂きました。入力の手間を最小限に抑え、物理的に入力ミスが起こらないようなインターフェースとなるように何度もSEの方とやりとりをしながら作り込んでいただきました。三協さんに仕事をお願いしてまもなく1年が過ぎますが、返品ミスはゼロ、すべて即日で棚入れまで行っていただいており、EC売上拡大に欠かせない機能になっています。

また、社内的な管理方法の連続性の観点から、引き続き弊社で使用していたExcelの形で報告が欲しいと要望したところ、蓄積した返品データのExcel出力機能もご用意いただけたため、弊社側の仕事の進め方については変更する必要が一切ありませんでした。

「システムに仕事を合わせるではなく、仕事にシステムを合わせる」という営業さんの意味が本当の意味で腹落ちした瞬間でした。

WMSサンタの管理画面

倉庫管理システムがシンプルで

使いやすい画面設計となっているため、

予備知識なしでも出荷指示を作れるように

 

従来は別の業務システムより出荷指示を作成しておりましたが、入力項目が多く手順も複雑な事から、マネージャー級の人間しか対応することが出来ず、かつ多くの手間が掛かっていました。また、「出荷指示を倉庫側へ送付するタイミング」と「出荷指示を倉庫側でWMSに取り込むタイミング」の間にできるタイムロスについても懸念を抱いておりました。その数十分の間にも、店舗や百貨店での客注やEC販売など、リアルタイムに在庫状況は変わっていくため、客注完了後やEC購入後の欠品リスクも発生します。そのタイムロスをゼロに近づけるには、出荷指示が出来た瞬間にWMSに取り込むと同時に弊社内の基幹システムに反映させる必要がありました。

 

上記の2つの問題を解決するために三協のエンジニアさんと相談をさせていただいたところ、「SANTA」の弊社管理用の出荷管理画面の中に、新しく「出荷指示を作る機能」と「出荷指示データを弊社側で取り込む用のテーブル機能」の追加開発を行っていただきました。

「SANTA」での出荷指示は、従来のシステムで必要だった「カデゴリ」や「ブランド名」のような細かな指定をしなくとも出荷指示が作成できるため、マニュアルがなくても誰でも簡単に作業できるようになりました。担当していたマネージャーも「出荷指示は別のスタッフに任せ、自分は本来やるべき販売施策を練るということに全力で時間が使えるようになった!」と喜んでいます。また、弊社側で出荷指示を取り込むことにより、出荷指示の作成タイミングから在庫引き当てまでのタイムラグを無くし、即時に社内在庫管理システムに在庫を反映することができるようになりました。さらに、弊社のタイミングで出荷指示の取り込みから社内の在庫管理システムへの反映までを行えるため、非常に満足しています。

さらに、弊社側で取り込んだ出荷指示は、基幹システムに反映するCSVファイルを出力するまでは三協さん側の出荷管理画面に表示されないよう開発されているため、操作途中のデータを間違えて三協さん側で出荷してしまうリスクも排除されています。出荷指示を間違ってしまい、あとで三協さんに連絡して訂正するということもあったのですが、この方法であれば出荷指示を確認して出荷データの取り込みまでを弊社のタイミングで完結出来るため、そのような2度手間がなくなったことも非常に喜ばしいですね。

細かなニュアンスが伝えられて、開発スピードは3倍へ

 直接SEさんと話せるのでストレスもありません。

 

普通のシステム会社の場合、営業担当さんにこちらの要望をお伝えして、システムの要件定義を進めるのが一般的ですが、三協さんの場合、エンジニアさんと対面で話せるというのが非常に助かりました。間にセールスエンジニアや営業担当が入っている場合、どうしても伝言ゲームが発生してしまい、タイムラグや意図の取り違えが発生します。

 

たとえば「商品マスタの設計」「販売管理システムからの出荷指示データの形式」「システム画面のイメージ」など、部門横断的なすり合わせをする中で追加や修正が必ず発生するため、エンジニアさんと直接話をした方が細かなニュアンスをリアルタイムで伝えられます。

また、「バッチ処理」や「他システムとの連携タイミング」などエンジニアでないと聞き逃してしまう内容も序盤から漏れなくヒアリングしていただきました。

 

さらに、技術的に可能かどうかの回答も早いため、迅速なスケジュール感でシステムを構築していただけたと思います。仕様を作り直すということもなく、他のシステム会社様であれば6週間くらい掛かるところが2週間くらいで構築され、開発コストの圧縮にも繋がったと感じています。それに似たようなエピソードなのですが、前述の「客注システム」を流用することにより、「店舗在庫」と「EC在庫」の在庫移動をより機動的に行えるようになりました。当初はそのような使い方をするために作成した機能ではなかったのですが、後から在庫移動のスピードを高めたいと相談したところ、既存の客注システムを活用することにより追加コストをかけることなく対応可能であるとその場で回答いただけました。これはシステムを要件定義から実装まで一貫して作り込んでいるからこそすっと出てくるのだと感じました。

 

その他にも、WMS以外のところでも支援いただけました。たとえば「受注管理システムにおけるデータダウンロードの設定方法」など、三協さん側で受注管理システムに直接ログインし、仕様書やマニュアルを読み込んでいただきながら管理画面の環境設定を構築してもらいました。データダウンロード設定の上限数が超えているなどの問題が発生したようですが、受注管理システムのサポートセンターと直接やりとりをしていただき、業務に支障をきたすことなく対応いただけました。しかもありがたいことに、上限数を超えると追加コストが発生してしまうため、現在使用していない設定項目を洗い出し、その項目を追加の項目として充当することにより追加コストなく解決することができました。本来であればこのような倉庫管理システム以外の内容については関知しないというのが一般的な物流会社であると思いますが、三協さんの場合は周辺システムに関するサポート(仕様書・設計書の読み込み)まで“寄り添いながら”きめ細かく対応してくれるため、安心してお任せできました。

「黒のスムース」と「黒のエナメル」を意識する必要もなくなった。 入社初日のスタッフでも100%間違えない物流

三協にアウトソーシングした感想はいかがでしょうか。

 

以前は、ロケーション管理をしていなくて、同じ品番(サイズ×カラーで30種類程度)ごとに商品を集めて保管しておりサイズや色については外装の写真を見ながら作業者が間違えないように注意してピッキングを行っていました。その写真が小さくて解像度も荒いので「黒のスムース」と「黒のエナメル」はよく間違えてました。他にもアイボリーがベージュに見えたりとか。間違えやすいアイテムは注意喚起の看板をつけて作業していました。

 

三協さんにアウトソーシングした結果、倉庫管理システムで商品マスタやロケーション管理をすることにより、注意しなくともピッキングリストやタブレットに記載されたロケーションに行けば正しい商品を出荷できるようになりました。商品の場所や細かな情報を知らなくても作業ができるため、入社初日のスタッフであっても100%間違えない物流になっているというのが本当に衝撃でした。

保管のキャパシティーが2倍

年間1,000万円のコスト削減

その要因は「保管スペースの有効活用」と「人員コントロール」

 

以前は店舗とECの在庫が一元化できておらず、ロケーションが2か所にまたがってしまうため、倍の保管場所を使用していました。例えば、全く同じパンプスであっても10点が店舗用、5点がEC販売用であれば15点を1か所に保管する方が空間を有効に使えるのですが、10点を保管スペースAに、5点を保管スペースBに置くというやり方をしていました。それがSANTAによって在庫が一元管理できるようになったため、少なく見積もっても50坪以上は削減できていると思います。その他にも新商品や返品商材の入庫スピードが格段にあがったことにより、棚入れ前のアイテムを一時的に置くとことがなくなり、そのための余剰スペースを確保する必要もなくなりました。

 

繁忙期と閑散期では、出荷数が10倍を超えるくらい違ってくるため、出荷波動に対応するための人員調整に非常に苦労していました。また、未出荷をなるべく出さないために派遣スタッフの方にも来ていただいておりましたが、閑散期には仕事がどうしてもなくなってしまい、無駄な人件費が発生しておりました。仕事が煩雑で覚えるまでに6か月程度掛かるため、OJTにかかるコストなども悩ましいところでした。

せっかく育ったと思ったら退職したりすることもあり、人材の定着というところでも相当苦労していました。

 

三協さんに移管してからは、そのような人件費も圧縮されたため、先ほどの保管コストの圧縮と合わせて年間で1,000万程度のコストカットが実現できています。もちろんそれも大切なのですが、「来週のECイベントかなり出荷件数が増えそうだけど、現場はギスギスしないかな」「他部署に連絡して、業務終わりに倉庫で出荷作業を手伝ってもらうようにお願いしないと」といった人員コントロール関するあらゆる悩みやストレスから完全に解放されたということが大きいですね。

出荷キャパが2倍

出荷キャパが2倍以上へ、未出荷が一切なくなりました

 

ECのお客様に対する発送作業は納品書、送り状、交換・返品シートなどをすべてのお客様に対して個別に対応する必要があるため、以前は1日300件でもう手一杯でした。それ以上を無理に対応しようとするとどうしても物流精度が落ちてしまいますし、EC販売は誤出荷になると即クレームとなってしまうため、お客様に申し訳ないと思いながらも事前にアナウンスさせていただいたうえで未出荷として翌日以降に対応しておりました。

 

三協さんに委託後、1日で約700件という出荷がありましたが、全て当日中に対応いただき、かつ誤出荷や物流に関するクレームは業務開始してからずっと0です。

足元ではコロナウイルスも収束しており、百貨店催事や店舗での売り上げも拡大傾向にありますので、EC販売も含めて未出荷・誤出荷を出さない機動的な物流は売上拡大に向けて非常に心強いと感じています

金曜日に入荷した新商品を土日で販売できる!

 

従来は、繁忙期においては出荷で手一杯となっており、入荷作業が停滞することが少なくありませんでした。特に新商品や既存の売れ筋商品などはすぐに販売したいので迅速な棚入れを行いたかったのですが、それが叶わず歯がゆい思いをしていました。

 

アウトソーシング後はSANTAを使ったデジタル管理により、着荷日の翌日までにはデータ反映が終わっており、倉庫に到着次第すぐに販売できるようになり、販売機会のロスが大幅に削減されました。それだけでも充分だったのですが、このやり方では金曜日に入荷した場合、基幹システム側におけるデータ反映の制約もありまして販売開始が次の月曜日になってしまい、土曜日と日曜日には販売できない状態でした。

 

三協さんに相談したところ、基幹システムにログインし、入荷報告を取り込むところを三協さん側で当日中に実施する仕組みを構築いただくことにより、金曜日に入荷したものが土日に販売できるようにしていただきました。また、土曜日の時点で最新のデータが反映されており、百貨店催事で販売する出荷リストについても新商品がアップデートされた状態で作成できるようになっています。

検品

返品入庫のスピードと精度がアップした結果、

店舗スタッフの負担が軽減され、機会損失は削減されました。

 

以前は百貨店催事からの返品においても手が回っておらず、倉庫側での入荷検品がおざなりになっていたため、別の百貨店催事で使用する場合は受け入れ側の催事スタッフがあらかじめチェックする手間が発生していました。また、検品がほぼ出来ていなかったため、EC出荷に充当することもクレームのリスクを勘案し、行っておりませんでした。

 

三協さんに業務を移管した結果、百貨店催事の返品について、当日中の再入庫が実現できています。また、弊社の返品フローに合わせて倉庫管理システムを構築していただいた結果、返品処理の生産性が飛躍的に高まるとともに、1点1点丁寧な検品が実施できるようになりました。現在は、商品を受け入れる店舗側でのチェックも必要なくなっており、スタッフが販売に専念できる環境が整っています。また、EC返品も当日中に再販売が可能となるようなスムーズな返品物流を実現しています。結果としてそれが返品交換のしやすさに繋がっており、気軽に買いやすいということでリピート客の増加に寄与していると感じています。

 

また、EC在庫と店舗用在庫の一元管理も導入されており、店舗や百貨店催事で売れ残った商品をECのイベントなどで迅速に販売することで「最後の1点まで売り切る」ことが可能になっています。

約4,500SKU、約24,000pcsのすべてのアイテムにおいて、 在庫がピターーーっと完全一致!!

 

これまでは入出荷において、人の注意力に依存したアナログな方法でやっていました。例えば「アイボリーとベージュを見間違えて出荷してしまう」「店舗宛の出荷で数量を間違えて郵送してしまう」といった出荷ミスによって、在庫差異が発生していました。在庫差異を放置しておくと、システム上あるはずの商品が見つからず注文を受けたのちに欠品の連絡をするといった手間が発生するため、弊社では月ごとに2営業日に分けて棚卸作業を行っておりました。

 

現場の方は本当に一生懸命やっていただいていたのですが、それでも数%程度の誤差が毎回出ており、人件費も掛かりますし、何より在庫が合わないということの心理的負担は相当のものでした。例えば客注において、システム上で在庫が1あることになっていても念のため、倉庫担当の方に保管場所まで行って本当に在庫があるかを見てもらってからからお客様に伝えていました。このように在庫が合っていないという前提で業務を構築しないといけないということもストレスでしたね。

 

三協さんに物流を委託してから出荷ミスや未出荷が完全になくなりましたが、さすがに在庫差異についてはいくつか発生するだろうと予想していました(笑)アウトソーシングして1年経過後に初めて棚卸を依頼した際に、約4,500SKU 約24,000pcsのアイテムにおいて、実在庫と弊社のシステム在庫において1つの差異も発生しなかったというのは心底驚きました。

4箇所のpopupストア同時出荷

催事の担当者が“接客だけ”に全集中できる

 

以前は社内で準備をしていたので、商品や備品の納期にズレが生じており、非常にあわただしい中での準備が求められていました。特に百貨店向けの催事については、三越伊勢丹様や高島屋様など百貨店札の種類や納入のルールが毎回異なることに加え、出店頻度が高く時間的な制約もあることから、スタッフの心理的負担も大きかったと思います。

 

今はピシッとスケジューリングされており、4拠点の催事へ同時出荷するような場合も慌てるということも全くなくなりました。また、出荷前にあらかじめ箱の中の商品が合っているかの検品や、間違っていた場合のシールの貼り替えなども徹底いただいています。加えて、「店頭に並べる一点だけを1つの箱に別途梱包して、それ以外は通常通り商品ごとに出荷して欲しい」「同じ品番のものは並べやすいように近いところに梱包して欲しい」といった細かい出荷指示も出させていただいており、催事の担当者が接客に集中できる環境になっています。

 

その他にも、催事の場合は出荷日が当初のお話と途中で異なってしまったり、送付先の住所が建物の3階から1階に変わったり、百貨店様によっては担当者の名前まで必要なケースも発生します。このような修正を行うのにも従来は煩雑な入力工程が必要でしたが、三協さんのシステムであれば1つの画面から直接変更が可能であり、催事に関わる本部セクションの作業も非常にやりやすくなりました。

必ず解決策はある!まずはプロに相談を

三協に対して今後求めることはありますか?

 

先ほどお話した「金曜日に入荷した商品のデータ反映を当日中に完了したい」という要望も、つい先日お話したばかりです。このように三協さんに要望をお伝えするとすぐに対応いただけていますので、正直なところ特にありません。

 

今、中国に対してSNSなどで広告を打ちながら様子を見ていて、ゆくゆくは百貨店や商業施設でポップアップもしていきたいと考えています。その際、一番問題となるのが物流面かと思います。国外になってしまうので、どのようにやり取りをすればスムーズに出荷できるのかを相談をさせていただければと思っています。

御社の営業チームや現場責任者の方とお話ししていると、みなさんすごくポジティブで現状に甘んじないという姿勢を強く感じます。これからもプロの視点で、改善した方が良いという部分をご指摘いただきたいと思っています。

物流アウトソーシングを検討している企業さんに対して、何かアドバイスがあればお願いします!

 

企業さんによって課題が違うので一概には言えませんが、とにかく”相談する”ということですね。問題があっても自社で棚上げにしてしまうというのは結構ありがちだと思うので、まずは相談をすること。プロに聞くと必ず解決策があるので、少しでもアウトソーシングを考えているのならば、まずは相談するというのが解決策かなと思います。聞いてみるだけでも自社の課題が整理できるのではないでしょうか。

企業情報

事業内容
アパレルブランドの企画・運営
公式サイト
http://praia-inc.com/

praia

PRAIA inc.

華やかなデザインと歩きやすさを両立させたレディーパンプスブランド「ヒルズアヴェニュー」の企画、店舗・EC販売