物流スキルを伸ばす“フィードバック”の力

株式会社三協の山田です。

今日も暑かったですね。
「敬老の日」ということですが、本日もすべての出荷を無事に完了いたしました。

土曜・日曜・祝日も出荷可能な物流センターにはまだ若干の空きがございます。

「長期休暇中の出荷がネック」
「セール期間中に出荷が止められない」
といったお悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。

さて、今回は、
「物流スキルを伸ばす“フィードバック”の力」
というお話です。

物流スキルを伸ばす“フィードバック”の力

世の中にはフィードバックを受けやすい仕事と、受けにくい仕事があります。

たとえば出国審査官。訓練を受けていない人と比べても実は誤判定率に大差がないというデータもあるそうです。
その大きな理由は、答え合わせ(フィードバック)がないからだそうです。

一旦出入国ゲート通過した人が、「実は私は別人でした」と後から教えてくれるわけありませんからね。

専門書によれば、これは警察官や判事(特に仮釈放の審査)も同様だとされています。

要するに、個別の細かいフィードバックが得られない業務ほど、その精度は怪しくなるということです。

もちろん彼らが訓練を積み、真剣に職務にあたっているのは間違いありません。しかし、フィードバックが得られない環境であればあるほど、経験そのものが人を成長させる力を持たないのです。

物流も同じです。経験を積んだからといって、必ずスキルが上がるわけではありません。

「正しかったかどうかの答え合わせ=フィードバック」こそが、現場を強くする唯一の手段なのです。


物流の現場での“答え合わせ”とは、後から明らかになる課題のことです。

(1)レイアウトの盲点:実際に運用してみると商品を取りづらい

(2)SKU増加の想定不足:想定以上にアイテム数が増え、ロケーション数が不足

(3)マテハン導入:機器を導入したものの、思ったより設置スペースを取ってしまい、出荷作業がしにくい

こうした“後から発覚する課題”こそが、貴重なフィードバックとなります。

現場でのリアルな答え合わせを積み重ねることで、経験は初めてスキルへと昇華するのです。

三協では、たとえば新しい顧客の業務を立ち上げる際、徹底したフィードバック設計を行っています。

(1)開始前のフィードバック設計

・専門スキルを持つ人材チームに加えて、代表である私自身も必ず参加し、あらゆる角度(商材特性、販売チャネル、SKU数、使用しているシステム、波動要因など)で議論を重ねながら業務フローや物流システムを構築します

・顧客の実績データをもとに、季節変動やセール対応といった多様なパターンを再現し、仕組みやシステムが円滑に動くかを検証します。

(2)開始後の継続フィードバック

当社には約300名のパートスタッフが在籍しており、日々の作業を通じて多くのフィードバックが寄せられます。

そうした現場の声を吸い上げ、実運用の中で浮かび上がる「使いづらさ」や「現場ならではの工夫」を改善サイクルに反映させることで、仕組みは磨かれ、現場の物流スキルも着実に高まっていきます。


結局のところ、物流スキルを高める鍵は「どれだけ多くのフィードバックを得られるか」です。失敗を恐れず答え合わせを重ねることで、現場は磨かれ、成長への最短ルートが開かれます。


「現場でのフィードバックを生かし、答え合わせを仕組みに取り入れたい」
とお考えの方は、ぜひ一度三協にご相談ください。

また、
「現場の声をどう仕組みに取り込んでいるのか」
「フィードバックがどう物流システムに反映されているのか」
を知りたい方は、ぜひ倉庫見学にご参加ください。


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記事の作成者

代表取締役

山田

現場一筋40年。従来の物流倉庫のスタイルを一掃し、社内にシステム開発室、デザイン室を開設。総合物流の効率化を図ると共に、ネットショップ物流に特化したSANKYO-ECを立ち上げる。 近年では自社倉庫だけで無く、倉庫をお持ちの企業様の物流改善まで手がけ、数ある物流倉庫の「誤出荷ゼロ」「在庫差異ゼロ」「入出庫遅延ゼロ」を実現。 著書に「誤出荷ゼロ!自社倉庫管理術」「EC物流改善メソッド」(幻冬舎)がある。