「現場を壊すWMSはこうして作られる」導入失敗を防ぐ4つの視点とは?

こんにちは。
株式会社三協の山田です。
本日も無事に全ての出荷を終えることができました。

土曜日・日曜日・祝日なども配送可能な物流センターにはまだ空きがございます。長期のお休み中の出荷で悩んでいるお客様はお気軽にご相談ください。

今回のメルマガは「現場を壊すWMSはこうして作られる」についてお話します。

現場を壊すWMSはこうして作られる

「WMSを導入したのに、むしろ現場が混乱してしまった」
「大手に依頼したのに、結局使いにくいシステムができあがった」
こうした声を、何度も聞いてきました。

莫大な費用と時間をかけたはずのシステムが、
誤出荷や業務停止を引き起こし、裁判にまで発展するケースも後を絶ちません。
2024年には、日通がアクセンチュアを相手に124億円の損害賠償を請求。

江崎グリコでは、SAP導入遅延で342億円に膨らむ事態も発生しています。
(去年“プッチンプリン”が棚から数か月間も姿を消したことを覚えている方もいらっしゃるのではありませんか?それはこのシステムトラブルのせいです。)

こうした失敗は、大手企業だけの問題ではありません。
むしろ、社名が出てこない中小企業こそ、静かに現場が疲弊しているのです。

WMSは、仕入・製造・販売・返品など、他システムと深く連携するため、
開発に失敗すれば、現場どころか事業そのものに悪影響を与えます。

では、どんな視点でWMS開発会社を見極めればよいのでしょうか?
私たちが現場で蓄積してきた「4つのチェックポイント」を公開します。

(1)WMS専門企業かどうか?
会計や勤怠、経費精算などを“何でも”開発する会社では、
物流現場特有の運用を見落としがちです。
・販売先ごとに納品書や梱包条件が異なる
・特定の商品だけバーコードが無いのでスキャンできない
・季節商材や福袋、キャンペーン品などの特殊なフローが多い
こうした“物流あるある”に対応できるのは、
WMSに特化し、現場の泥臭さを知っている会社だけです。

(2)カスタマイズ実績の豊富さ
WMSは仕入・製造・販売・返品などが影響するため、
“100社100様”です。
たとえば、同じ“子供服”を扱っていても、
「自社ECや楽天やAmazon中心で直販する小売」と「百貨店や専門店を通じて展開するメーカー」では、物流の要件はまったく異なります。
販売戦略が違えば、在庫管理や出荷条件、返品処理なども当然変わります。
このような違いに柔軟に対応するには、業界や業種を横断して多数のWMSを手がけ、 複雑なカスタマイズを日常的に行ってきた開発会社 でなければ太刀打ちできません。

(3)エンジニアが現場に足を運んでいるか
・画面の文字が小さすぎて作業しづらい
・操作ステップが多すぎて入力エラーが多い
“机上の空論”で作られたWMSは、現場でストレスになります。
だからこそ、エンジニア自身が現場に足を運び、WMSを実際に使いながら課題を感じ取る姿勢が欠かせません。
“無意識に晩御飯の献立を考えてしまっても”操作ミスをしない。
それほど直感的で、使いやすいシステムこそ、現場で求められています。

(4)エンジニアと直接話せる体制か
WMSの開発において、「エンジニアと直接会話できるかどうか」は、実は最重要ポイントの一つです。
なぜならWMSは、
取引先ごとの条件、商品やセールに関する例外処理、データ連携の仕様など、多方面にまたがる細かい設定が絡み合うため、
仕様の聞き間違いやすれ違いがシステムトラブルの温床になります。
こうした調整を営業やディレクターを挟んで伝えていては、
仕様の聞き間違いやニュアンスの取り違え、確認漏れといったエラーが発生しやすくなります。
たとえば、
・納品先や出荷元の諸条件によってステータス区分や条件フラグが異なる
・セール商品だけ伝票出力形式を変える必要があった
・外部モールとのAPI連携で細かいパラメーター設定や掃き出しデータの生成方法を変える必要があった
こうしたトラブルの多くは、
「開発エンジニアと直接10分話していれば未然に防げた」
というケースばかりです。
エンジニアと直接会話ができれば、
その場で仕様確認・調整できるため、
開発スピードも精度も格段に高まります。

<まとめ>
WMSは導入して終わりではありません。
むしろ導入後こそが本番です。

現場の変化に対応し続けられるかどうかは、
「開発会社の引き出しの多さ」と「現場への理解」にかかっています。
「現場を壊さず、強くしなやかな物流を支えるWMS」をお考えの方は、
ぜひ一度、私たちにご相談ください。

また、当社では定期的に倉庫見学会を開催しております。
実際の物流現場をご覧いただくことで、多くの参考になる情報を得られるはずです。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

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記事の作成者

代表取締役

山田

現場一筋40年。従来の物流倉庫のスタイルを一掃し、社内にシステム開発室、デザイン室を開設。総合物流の効率化を図ると共に、ネットショップ物流に特化したSANKYO-ECを立ち上げる。 近年では自社倉庫だけで無く、倉庫をお持ちの企業様の物流改善まで手がけ、数ある物流倉庫の「誤出荷ゼロ」「在庫差異ゼロ」「入出庫遅延ゼロ」を実現。 著書に「誤出荷ゼロ!自社倉庫管理術」「EC物流改善メソッド」(幻冬舎)がある。